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空見る三角窓

劇的に変わった安定性

 購入当時から思っていたました。特に冬の凍結路面のように路面ミューが低い状況で直進安定性が悪い。ワーゲンってリアエンジン・リア駆動なのでどうしてもリアが振るような感じなのは仕方がない物なんだなぁ、と。

 以前車屋のメカニックさんに相談したことがあって、「まだ良い方ですよ」という返事が返ってきました。数多くのワーゲンを手がけている人が言うのでそんな物なのかなぁ。しかし、友人いけだ氏の’66年式の後を走ったときに、彼の車は非常に安定して走っているように見えました。キングピン式とボールジョイント式の足回りの違いなのか?そんな風にも思っていたのですが。

 13年目の冬を迎え、スタッドレスタイヤも奮発して今回は定評のミシュランを購入。でも前評判ほどの性能は感じることが出来ず、まあこんな物なんだろうな、そう思いつつもずっと気になっていたこのふらつき感覚についてもう一度相談してみたのです。
 そこで返ってきた答えは「この車、やけにリアが上がってますよね?逆ハの字になってるから、そのせいでグリップが弱いのではないですか?」確かに昔から気が付いてはいました。大抵このくらいの年式だとへたってリアの方が下がり気味になるらしいのですが、逆にフロントが下がってリアが上がり気味。しかもバックしたときに余計に上がるような気がしました。
 通常、直進性を良くするため車輪はトーイン(上から見て、進行方向側にしぼむ様に両車輪を設定する状態)に調整するものなのですが、バックするときに車高が上がるということはトーアウト(トーインとは逆で、進行方向側が開くように設定する状態)になっているのではないだろうか?そう思えてきました。そしてタイヤの接地面が路面と平衡にならない状態だと、接地面積が小さくなり、グリップが弱くなるためさらに不安定になるのではないか、という仮説ができます。

 そこでリア車高を少し下げて、接地面をなるべく平行になるようにしつつ、トーインを調整すればもしかするとふらつき感覚が改善されるのではないか、という話になったのです。しかし、この作業をしたからといって、どの程度改善されるのか、果たして良くなるのかは全く判らない、ということでした。工賃も高いし、ちょっとギャンブルでもあったのですが、思い切って作業してもらうことにしました。

 元々私はキャルルックなどのカスタムは好きではなかったので、あくまでもフロントとのバランスを重視して車体が平行になるようにリアを下げて欲しいという希望で作業は結構たいへんだったそうです。ただ車高を下げるだけであれば、トーションバーの止まる歯車の位置を1段組み替えれば良いとかいうレベルだそうですが、何センチ単位で下げるとなると、アクスルプレートの内側と外側にかかる歯車のバランスを考えないとならないらしく、そのための計算式で計算しても現実はそのようにならないため、実際に作業して点検してを繰り返さなければならないそうです。たとえば外側のかみ合わせを15歯戻して内側を14歯進めるなどを繰り返し点検するわけです。聞いているだけで途方に暮れそうです・・・。

 実際に作業を終えて現物を見たとき、やけに車高が低くなった気がしました。ただでさえ、一回り径の小さいスタッドレスタイヤなので余計です。ちょっと下げすぎでは??などと思いましたが、車体は平行に見え、バランスは間違っていないようでした。そしてしばらくこの状態でテストしてみることになりました。

 今年は寒い日が多く、凍結路面もよく走りましたが、感想は「全く別の車に乗っているように安定している」です。以前のように直進でも常にステアリングで小刻みにカウンターを当てつつ神経をとがらせて走るのではなく、とてもリラックスして運転でき、本来ワーゲンとはこんなによく走る車だったんだなと実感しました。とは言っても四駆の車には勝てないでしょうが。

 おかげで燃焼式ヒーターと相まって、冬の走行が非常に快適で安心して運転できるようになり、ますますワーゲンに惚れ込んでしまったのでした。作業してもらってよかった、よかった。後は融雪剤と錆の問題ですが、それはちょっと無理かも・・・。


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