ねこの窓の向こう側:北海道・札幌で走り回るかぶと虫・「青空ちゃん」他空冷VWの話題を発信中!
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空見る三角窓

10年経っても

 今年も無事に春分の日を迎えられました。私にとって春分の日は特別の日。なぜかって?それは我が家に青空ちゃんがやってきた記念日なのです。そして今年は10周年。あっという間の10年でした。

 思い起こせば実にいろいろなことがありました。笑いあり、涙あり、まさにそんな歳月でした。「もう乗れない」と思ったことも正直ありました。購入前に思い描いていた以上に苦難の日々。しかし、周りの理解と励ましのおかげでここまでやってくることが出来たと思います。

 青空ちゃんは1963年モデル。41歳です。人間で41歳といえば働き盛り。家族のために一生懸命働くお父さん、お母さんでしょう。しかし車にとって41年という歳月は人生を3回くらいやり直したような時間である訳です。そう考えるとこうして現役で現代の道を走り続けていることは不思議かもしれません。
 このような、古い工業製品が実際稼働しているということはとても大切なことだと私は思います。博物館の中に保存することも大切ですが、もう働くことのないその姿を目にして古き時代を感じるよりも働く姿を見せてあげたいし、見てみたい。そう願うのです。

 小さいときから古いものが好きで、博物館や図鑑が大好きでした。鉄道では当然蒸気機関車が好きで、小樽にある鉄道記念館(現:交通記念館)に行くのがとても楽しみでした。しかし、暗い倉庫の中や、野ざらし状態のSLたちはとても悲しげで幼い私には恐怖感もありました。形は残っていても、魂はすでにその場に無く、死に絶えた姿に見えたのです。元気に活躍していた姿を想像し、そして今この地で眠る光景がとてもいたたまれないのです。二度と見ることの出来ないその勇姿・・・。確かに時代が変われば役目を終えていくものがいる。当然のことですが、どこかやるせない気持ちになってしまいます。

 新しいものを求めることは決して悪いことではないし、間違ってはいないと思います。しかし、古きものを大切に守り続けることも大切な事だと思うのです。確かに青空ちゃんは製造当時の状態とは大きく異なるでしょう。部品も社外品だったり、年式と合わないものが付いていたりもします。オリジナルを重視する人たちからすれば許されないことかもしれません。でも現代生活に適応するための改修は、走り続けていくためには、あっても良いと思っています。働くために生まれた機械は働き続けることが一番の幸せ。自己満足かもしれません。走り続ける青空ちゃんと一緒に居たい、その気持ちがこの10年の支えであったことは間違いはありません。

 10年乗って感じること、全く飽きてない事でしょうか。維持することは大変なことではありますが、許される限り共に歩んでいきたいと改めて思うのでした。
 


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