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空見る三角窓

家族の一員

 祖父の墓参りを終え、車屋に向かう。1ヶ月ぶりに再会するワーゲンに胸躍らせ一刻も早くそのステアリングを握りたい気持ちを抑えつつ急がず安全に車を走らせた。

 車屋に到着し辺りを見渡すが、我が元にくるワーゲンは見あたらない。するとガレージからその姿を現した。小さいころから待ち望んだ瞬間が訪れたことに感動しつつ、早速室内に滑り込みキーを廻す。「ギュルギュルギュル、ブロロロォー、バタバタバタ・・・・」しかしまだ3月、雪もちらつく季節。アクセルを戻すとエンジンが止まってしまいそうである。

 少しばかりの暖気運転をして、車屋のスタッフが見守る中静かにクラッチを繋ぐ。お約束のエンストを防ぐために少々ふかしながらゆっくりと走り出した。エンジンは依然として不安定なアイドリングで、交差点で停止するたびにストールした。とんでもない初体験に付き合わされる姉は少々不機嫌そうである。後ろからは父と母の乗るサニーが付いている。「本当に大丈夫なのかな?」
 緊張と不安の中、視界確保のためワイパーを動かす。間欠ワイパーはもちろん、スピードも1段しかないのだがその動きはとても元気であった。「なんか元気良すぎてもげちゃいそうだね」などと言っているといきなりぽろりと運転席側のワイパーアームがはずれた。急いで車を止めなければ!ウインカーをあげ左の車線に移ろうとするとその車線を走っていた車がクラクションを鳴らす。「ちょっと近すぎたのかな?」少し加速し車間距離を確保した後に再度車線変更をこころみた。しかしまたもやクラクションを鳴らされた。「なぜ??」と思ったがこのまま走っているとボンネットの上にかろうじて載っているワイパーアームが落ちてしまう。そのまま車線に入り、左に寄せて停止した。その車の運転手はこちらをにらみつけて走っていった。どうやらこの車に前に入られることがお気に召さなかったようである。
 親の車も後ろで停車し、ワイパーを付けるためサニーの車載工具を借りて固定した。「はずれたらいやだから、連続運転は避けよう・・・」手動間欠ワイパーをしながら走り、エンジンが暖まってアイドリングが安定したころにはもう我が家に着いていた。

 こうして、30歳を過ぎた小さな車は我が家の一員となった。私はこの可愛い家族に名前を付けることにした。「晴れ渡った青空の下をのんびり走ると気持ちいいだろうなぁ・・・」そう、青空ちゃんにしよう。色も水色、空の色だ。
 初日から小さなトラブルに見舞われたが、これはほんの始まりでしかなかったがこのときは知るすべもなかった。さあ、これから青空ちゃんと私たちの物語のはじまり、はじまり!

青空ちゃん
自分のほぼ理想通りのワーゲンが青空ちゃんです。
ますますワーゲンが好きになりましたが、その反面・・・。

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